「やっちゃえ」と言いつつ堅実、日産の自動運転開発の実情(激変!クルマ×AI 業界地図)



 ”やっちゃえ”NISSAN――。日産自動車が2015年にテレビで流したCMのキャッチコピーだ。歌手の矢沢永吉氏がステアリングホイールから手を離してクルマを自動で走らせる映像は衝撃的だった。

 米アルファベット(旧グーグル)が手掛ける完全自動運転車の開発に、「日産が本腰を入れた」と受け取れたからだ。今でこそ多いが、2015年当時、大手自動車メーカーのなかで、「完全自動運転に挑む」と宣言した会社はほとんどなかった。

写真●「”やっちゃえ”NISSAN」というキャッチコピーを掲げたテレビCM

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 日産のカルロス・ゴーン会長は、自動運転などによって「自動車業界には今後の10年で、過去50年を上回る変化が起こる」と公言している。既存の自動車事業が先細りになるかもしれない危機感がある一方で、新しい時代への転換を飛躍する好機とも捉えている。“勝負師”であるゴーン氏の高揚感が垣間見える発言といえよう。

写真●日産会長のカルロス・ゴーン氏

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 一気呵成に完全自動運転を実現しそうにも思える日産。だが、実のところは堅実な姿勢で開発を進めている。日産は世界各社が描く自動運転のロードマップのなかで積極果敢な1社ではある。とはいえ、自動運転の開発で、他社を圧倒するほど先行した計画を打ち出しているわけではない。安全を重んじる自動車メーカーとしての立場を崩さない範囲で攻めている、というイメージだ。

 日産は2016年、自動運転支援システム「プロパイロット」の第1弾と位置付ける運転支援機能を搭載したミニバン「セレナ」を日本で発売した。これは、高速道路の単一車線内で、車速が0~100km/hの範囲内で加減速と操舵を自動で制御する機能を備える。日産は2018年にも、米自動車技術会(SAE)が定める「レベル2」の自動運転車を実用化する計画だ。このときに、車線変更を自動制御できるようにする方針である。



写真●セレナのプロパイロットを動作しているときの様子。前方車両と車線を認識して、自動で走る。ただし事故の責任は運転者にある

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