少量データから知見を見出す「スパース性」を利用した分析サービス–ハカルス



 ハカルスは4月20日、少量データから本質部分を抽出する方法論「スパースモデリング」を応用したデータ分析サービスを、法人向けに提供開始すると発表した。価格は個別相談。

 スパースモデリングは、複雑な分析で用いられた計算式を本質部分のみ抽出して単純化(スカスカにする)するというデータ分析の方法論。複雑な関数を、重要な要素のみ導き出した直線の式にして考える。

 少量データから有意な分析結果を導くことを可能にし、ディープラーニングに必要とされる大量の学習データが入手できない環境での分析や識別作業の自動化を目指すという。

 今回、ハカルスではスパースモデリング技術の主な応用方法である画像データの分析・認識を中心に、さまざまなデータを対象にしたサービスを提供する。

 また、スパースモデリング技術のもう1つの特性である「データ同士の因果関係の解明」もサービスとして提供する。

 これは、スパースモデリング技術が持つデータの本質部分の抽出に優れるという特性を利用し、入力データに対して何が出力データを特徴づけているかを分析・識別して導くことを利用している。

 想定しているHACARUSのデータ分析サービスの利用例として「植物や人物の外観画像を用いた病気種類の判別」「ドローンにより撮影された建造物写真から破損箇所の特定」「経営データから売り上げなどのKPIに影響を与えている要因の解明」「バイタルデータと病気リスク・医療費の因果関係の究明」などを挙げた。

 また、スパースモデリングの応用事例として意図的にデータ量を減らし、少ないデータからデータを再構成する手法「圧縮センシング」を紹介している。スパースモデリングを利用してMRIの撮像時間を4分の1まで短くして画像データを再構成することにより、患者にかかる負担を最小限に抑えながら診断に必要な画像データが得られる。さらに1回の撮像時間を短くすることで高価な医療機器であるMRIの利用回数を増やせるとした。


図4:スパース性を利用した脳血管画像の例  圧縮センシングは80%データが欠損していても血管画像が再構成できる
京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座(画像診断学・核医学) 提供

 現時点では、与えられたデータに対して特徴を認識するためのモデル作成をハカルスが請け負う形でサービスを提供する。

 将来的には特定のデータ種類に対応した分析・識別サービスをAPIとして提供する予定。企業はこれらAPIを利用することで、既存のシステムに容易にスパースモデリング技術を組み込むことが可能になるとアピールした。

 ハカルスでは、2016年6月からスパースモデリングに詳しい東北大学の大関真之准教授がチーフ科学アドバイザーとして就任。スパースモデリング技術を応用した食事指導・健康管理サービスを開発してきた。



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