日本ネクサウェブ RIAの新境地開く パートナーイベント開催



2017/04/24 12:19

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 RIA(Rich Internet Applications)のリーディングカンパニーである日本ネクサウェブ(デヴィッド・ムン代表取締役CEO)は4月18日、東京の「秋葉原UDX」で、主力製品「nexacro platform」などを販売するソリューション・パートナー向けイベント「Nexaweb Innovation Club 2017」を開催した。パートナー向けイベントとしては、これが14回目。今回は、過去の開催と異なり、「米国と韓国で開発した製品を日本市場で販売するという従来の業態から脱却し、エンジニアリング企業に変貌する」(ムン代表取締役CEO)ことを訴えかけるため、パートナーと連携して構築した日本企業向けだけの新製品や、アライアンスの強化策が示された。


 イベントでは、人工知能(AI)やスマートマシンの専門家が最新動向に関して基調講演を行ったほか、同社製品の最新情報や、ソリューション・パートナーから、統合開発基盤「nexacro platform」を使った金融機関向けの事例、Visual Basic6.0で開発されたアプリケーションを自動変換ツールの「XGEN-VB」を使いレガシーマイグレーションした事例、ジャスミンソフトの超高速開発ツール「Wagby」と「nexacro platform」の協業モデルなどの発表があった。当日は、既存・新規のパートナー関係者ら約100人が参加した。

英語で開会あいさつをした日本ネクサウェブのデヴィッド・ムン代表取締役CEO

 冒頭、あいさつしたムン代表取締役CEOは、「当社は、米国、韓国、日本でビジネスを展開している。日本市場は、長い景気低迷から脱し経済が回復している。日本で事業を拡大するため、積極的な投資を行う」と、海外で開発した製品を日本市場に持ち込み、販売するだけの拠点からの転換を明言した。その上で、「ソースコードの移管を行い、自社開発が可能となる陣容を整え日本顧客をサポートする」(ムン代表取締役CEO)と、新たな展開を示唆した。

基調講演に登壇したNTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリスト/国際大学グルーバル・コミュニケーション・センター客員研究員の林雅之氏は、AIやスマートマシンの影響を語った

 続いて、NTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリストであり国際大学グルーバル・コミュニケーション・センター客員研究員の林雅之氏が、「AI、スマートマシン社会のIT事業者の役割とビジネス創造」をテーマに基調講演した。AIやスマートマシン(ロボティクス)、自動運転車などのデジタル・テクノロジーに関する最新事情を紹介し、デジタルトランスフォーメーション(DX)が顧客やパートナーとの関係性、デジタル・収益モデルを変化させるとの将来見通しを示した。

 このなかで林氏は、「スマートマシンの登場で、急速に時代が変化している。AIは歴史上、最も破壊的なテクノロジーだ」と述べた上で、2018年に成長企業の45%でマシンより従業員数が少なくなり、30年には世界雇用の50%の仕事が機械化で失われる」など、インテリジェント化されたマシンによる影響を語った。また、林氏はスマートマシンを、AIを搭載し、ロボット、自動運転車、ドローンに代表される自律的に行動する電子機械と定義し、「こうしたマシンがITベンダーのビジネスモデルを創造的に破壊する」と、スマートマシンとAIネットワーク化がもたらす市場のインパクトについて説明した。

自社製品の優位性やパートナーに貢献する施策などを発表した

日本ネクサウェブの永井一美・最高執行責任者(COO)

 日本ネクサウェブからは、永井一美・最高執行責任者(COO)が「日本ネクサウェブ 最新情報 オンリーワンを目指して」と題して講演し、同社製品の優位性や機能のアップデート、ソリューション・パートナーとのアライアンスの方向性、新たなソリューションを示した。永井COOは、「いままで以上に、顧客への貢献とソリューション・パートナーの役に立つ取り組みを行う」と、日本市場の開拓に向け新たなスタートを切ることを宣言した。

 RIAについて永井COOは、「クライアント/サーバー(C/S)環境で構築したアプリケーションのルック&フィールをウェブシステムにも適用するソフトウェア」と定義。同社製品としては、ウェブ標準の「Javascript」を利用した開発環境である「nexacro studio」のGUIで、マルチプラットフォーム、マルチブラウザ、マルチスクリーンに対応し、ウェブアプリを構築できる「nexacro platform」がある。

 競合他社の製品を含めRIAの共通する技術は、Flex、Silverlight、JavaアプレットなどプラグインベースRIA製品としての「SPA(Single-page Application)」だが、「nexacro platformは、HTML5規格搭載ブラウザのみで動作(完全ノンインストール)するほか、RUNTIME動作(端末資源へのアクセスや端末固有機能の利用)する点で、競合製品より優位性がある」(永井COO)という。

 RIA製品を使った事例として、銀行の窓販で保険商品を販売する第一フロンティア生命保険が、新契約手続きをペーパレス化した導入実績を紹介。マルチ環境で使えるウェブアプリ開発に対する要望は今後増え続けると、ニーズの高さを強調した。

 このほかの製品では、既存のウェブアプリのソースコードに触れることなく、モバイル対応やポータル化を実現するエンタープライズ向けソリューション「XGEN-WEB」を紹介。日本ネクサウェブ社内で利用しているグループウェア「サイボウズ」とSFA(営業支援システム)「eセールスマネージャー」の両アプリに搭載スケジュール機能を、同シリーズで同期する開発を行ったことを披露した。永井COOは、「ソースコードが異なるアプリ間の連携機能を簡単に作ることができるのが『XGEN-WEB』の特徴だ」と述べた。

 また、国内の新展開として、同社は、ジャスミンソフトの超高速開発ツール「Wagby」を展開するアライズイノベーションに対し、「nexacro platform」のOEM供給を開始したことを公表。アライズ社は5月1日から、「nexacro for Wagby」としてシステム開発者向けに提供を開始する。

「nexacro platform」を使った地域金融機関向けのレガシー・マイグレーションについて

語った日立製作所の金融システム営業統括本部事業企画本部次世代バンキング

推進部の岡本光崇・主任技師

 「nexacro platform」のパートナーとしては、銀行など金融機関向けシステム開発を担当する日立製作所の金融システム営業統括本部事業企画本部次世代バンキング推進部の岡本光崇・主任技師が「地域金融機関の次世代基幹系システムへの適用」と題し、銀行内とコンビニエンスストアにあるATMの連携やFinTechに関する開発事例を紹介した。同社では、日立が開発した地域金融機関の次世代基幹系システム「Banks’ware」にnexacro製品群の適用を決めた。

 その経緯について岡本主任技師は、「スクラッチ開発したアプリのコーディングの生産性が限界にある一方で、画面変更ニーズが高まっている。また、周辺システムが多くあり、各種デバイス向けの重複開発の分量も増している。開発や保守の効率化や顧客サービスの向上に向けた課題があった」と語った。その上で、「nexacro platform」を選択したことについて「開発した一つのソースで、さまざまなディスプレイ環境に最適化したシステムの実装が可能だ。画面サイズの違いをページ単位で対応しながらコンポーネントレイアウトの維持ができる」(岡本主任技師)と、採用理由を語った。

ニッセイコムのソリューション本部システム第一部第四課の金井正庸課長は、

「XGEN-VB」などの取り組みを紹介した

 続けて、ニッセイコムのソリューション本部システム第一部第四課の金井正庸課長は、「VB6資産を最新Webシステムにどう移行するか? ニッセイコムの取り組みとビジネスアライアンス」をテーマに講演。「XGEN-VB」と「nexacro platform」を採用したビジネスについて語った。

 同社では、自社開発ソリューションとして国公立大学の大半が導入している「GrowOne 財務会計」などを提供している。しかし、Visual Basic 6.0(VB6)の開発環境がサポート切れし、実行環境もWindows8までとなったことから、VB6資産から脱却するため「XGEN-VB」を、OSやブラウザ、スクリーンサイズに拘らずにウェブシステムを構築する目的で「nexacro platform」を採用し、自社製品のウェブアプリへのマイグレーションを本格化している。

 日本ネクサウェブの製品を選択する条件として、岡本主任技師は「マルチブラウザのウェブアプリで標準的な言語に移行できること、当社のソリューションに取り込めることとして、マイグレーションツールを選んだ」とした。「XGEN-VB」はVB6からウェブアプリへのマイグレーションが可能で、標準言語のJavaScriptに移行でき、マイグレーションを推進することでビジネスを拡大できると、採用理由を説明した。加えて、「顧客先のプレゼンテーションで、VBライクな簡単なモックを作成でき、理解を得るのに役立っている」(岡本主任技師)と、移行ツールとしても活躍中と話した。

Wagbyのビジネスを展開するアライズイノベーションの清水真取締役COOは、

日本ネクサウェブとの協業について詳細を説明した

 パートナーとして最後には、アライズイノベーションの清水真 取締役COOが前述の日本ネクサウェブ永井COOが講演で触れた「nexacro for Wagby」とのコラボレーションについて説明した。「Wagby」は、ウェブブラウザ(Google Chrome)をベースにした開発ツールで、国内320社で使われている。リポジトリ情報からJavaの自動生成や実行環境の立ち上げまでを自動でできる。

 「nexacro for Wagby」は、「WagbyでリッチなUIのアプリを開発したいが、Wagbyの画面設計に限界があるため、他の画面設計ツールとの連携の必要性を感じていたり、技術・コストに不安のあるユーザー向けに開発し、当社のソリューションとして提供を開始する」(清水取締役COO)と説明した。これにより、Javaでウェブアプリをより簡単につくることができるようになったと、同ビジネスへの期待を表明した。

新たな形で開催された「Nexaweb Innovation Club 2017」には、例年を大幅に

超えるソリューション・パートナーの関係者ら約100人が集まった

 日本ネクサウェブのパートナーイベントはこれまで、「パートナーMTG」という名称で開催していたが、今回からは、「海外製品の代理販売という立ち位置から、国内ビジネスを自主性をもって拡大していく」(永井COO)と、パートナーと新たな事業展開をするため、「イノベーション」を表記した「Nexaweb Innovation Club 2017」に改めた。(谷畑良胤)

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