IoT訴訟、バイブの次はヘッドフォン – BLOGOS



IoT(Internet of Things)時代になれば、この手の訴訟が頻発するかも、ということでひと月前に、「”大人向け”バイブレーター訴訟」の顛末をご紹介しました。

簡単に言うと、ネットに繋がったバイブレーターから、リモコン代わりのスマホアプリを介して、振動パターンとその強度レベル、使用時間などが、アプリ登録時のメルアドと共に製造元のサーバーに送られているのはプライバシーを侵害するものだというものでした。

それと瓜二つに近い訴訟が、また起きました。今度はワイアレスヘッドフォンです。音響メーカーとして有名なBose社製の350ドルもする高級品を購入したKyle Zakさんという人が、「ユーザーの許可なしに、リスニングの内容を取得し、その情報を外部に売っている」として、集団訴訟を提起したのです。

ヘッドフォンからどうやって情報を取得しているのか?

その方法は、例の”大人のバイブ”のケースと同様でした。つまり、スマホのアプリをダウンロードし、より便利に使おうとすると、そのユーザーが、何を聞いたかなどの情報が、ダダ漏れになるといいます。

FortuneWashington PostBusiness Insiderなどの記事を総合すると、Zakさんとその代理人の弁護士の主張はこうです。(訴訟書類はこちら

購入後、名前とメルアド、ヘッドフォンのシリアル番号をBose社に登録し、その後に「ノイズキャンセラーのレベルをカスタマイズ出来る」など使い勝手向上を謳ったBose Connect Appをダウンロードしました。

で、原告側は、「弁護士の調査による」とだけ述べて、その詳細を明らかにしていないようですが、アプリを介して、ユーザーが聞いた楽曲名のみならず、政治的傾向や性的嗜好が想定されるポッドキャストの題名や宗教的傾向が分かるイスラム教のお祈りの呼びかけ、といった音声ファイルの内容も、登録時のシリアルナンバーとともにBoseが取得していると主張しています。

さらに、この情報が、<Collect all of your customer data and send it anywhere.>とトップページに掲げているデータマイニング企業Segment社とシェアしているとして、これらについてユーザーは事前に了解していないのだから、不明朗な商取引やプライバシー法、盗聴法などに反していると訴えているとのことです。

これに対して、Bose社は、さる20日と昨23日に<A message to our Bose Connect App customers>と題した見解をトップページに掲げました。

20日は、「扇動と誤解を招く主張と戦う」とし、「アプリで盗聴はしていないし、あなた方の情報を売ることはない。集めたものはあなた方を特定するために使わない」と強く反論する内容でした。

そして23日には、「ニュース記事は誤解を招く情報を繰り返している」として、アプリは「ユーザーのリスニング体験と製品をより良くするために」情報を収集しているとし、その内容は「再生された曲目、再生時の音量、その他の使用状況のデータ」だと認めるとともに、アプリ無しでもヘッドフォンは使用できるとも付け加えています。

なんだか、Boseの旗色悪しの印象。黙って、ユーザーのリスニング履歴などを集めていたのは事実なわけですから。これって、冒頭に紹介した、”大人向け”バイブレーター訴訟と全く同じ展開に見えます。アプリ無しでも使えます、っていう言い訳の仕方も似てるし。

訴えた先も、同じシカゴ連邦地裁です。ちなみにバイブ訴訟は和解金375万ドルで決着していますが、Boseは有名企業ですからねえ・・・ いずれにしても、IoTが本格化すれるに連れ、この手の訴訟、増えるのは必定かな。



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