ボットが知らせる異変に看護士が急行、グッドライフケア(チャットファースト)



 チャットを業務の効率化に生かすポイントが、定型化した自動処理をチャット画面から起動するボットの活用だ。先進事例を紹介する。

 東京都と大阪府で訪問介護サービスなどを提供するグッドライフケアホールディングス(東京・中央)は、サービスを利用する介護者の情報をクラウド型の顧客管理システム「Salesforce」で管理している。チャットサービスはChatWorkを採用している。

 管理している情報は年齢や住所などの個人情報や契約するサービス内容にとどまらない。介護職員が訪問したときに気が付いた重要な近況も専用の欄を設けて登録し、きめ細かい介護サービスに生かしている。「体調に異変がある。来訪前の午前中に、食事を嘔吐した様子もあった」「自宅の廊下で転倒した。けがをしている」──。Salesforceには被介護者のこうした容体変化が登録されていく。

 同社は職員が駐在する支店が2都府で10近くある。近況は支店に戻ってパソコンで登録することが多いが、急を要する場合は現場からスマホで登録することもある。チャットは被介護者の近況を共有するために活用している(図1)。Salesforceに登録された被介護者の近況は、自社開発したボットを通じてChatWorkに投稿される仕組みだ。

図1●顧客情報とチャットを連携させ、きめ細かい介護サービスを実現

東京・大阪で訪問介護を提供するグッドライフケアホールディングスの利用例。スタッフの訪問後に、気がついた体調の異変などの近況を顧客管理のSalesforceに登録。連携したチャットで関係スタッフに直ちに共有される。

[画像のクリックで拡大表示]

 同社は看護やリハビリなどのサービスも提供でき、介護士に加えてケアマネージャー、看護士、理学療法士が情報を共有しながら同じ被介護者を担当するケースが多くある。急を要するような体調変化の報告が介護士から上がれば、投稿を見た担当の看護士がいち早く被介護者の自宅に駆けつけられる。急ぎでない報告でもチャットなら対処方法を他のスタッフと連絡を取りながら決めて、次回の訪問時に生かせる。

 同社が被介護者の近況を顧客管理システムで管理する狙いの一つには「情報を引き継ぐことで、職員を被介護者に柔軟に割り当てても介護の質を維持できるようにするため」と小田秀樹社長は話す。チャットを併用することで、情報引き継ぎの早さと利便性は高まり、介護の質向上に役立っているという。



Related Post