ITスキル標準がデジタル時代に向け復権?!(ニュース解説)



 IT人材の分類や必要なスキル(能力)を整理した「ITスキル標準(ITSS)」が装いを新たに再登場した。名称は「ITSS+(プラス)」。情報処理推進機構(IPA)が4月7日に公表、IPAのWebサイトからダウンロードできる。

 ITSS+はデジタル時代に求められるIT人材像や、その人材が担うタスク(業務)やスキルをまとめたもの。従来のITSSを補完する役割を果たす。「セキュリティ」「データサイエンス」という二つの領域を対象とする。

 IPAは2017年度の完成を目標に、ITSSを改訂した新スキル標準の策定を進めている。ITSS+は新スキル標準の一部を先出ししたものだ。

活動の重点をITSSからiCDにシフト

 「ITSSの復権? そう受け取ってもらってかまわない」。IPAでIT人材育成本部調査役を務める平山利幸氏は、ITSS+を含む新スキル標準に関してこう話す。

 ITSSは11職種(ITアーキテクト、プロジェクトマネジメントなど)35専門分野(アプリケーションアーキテクチャ、システム開発など)ごとに最大7段階のスキルレベルを設定。各レベルで必要な業務経験(達成度指標)や実務能力、知識(スキル熟達度)をまとめたもの。2002年に登場し、IT企業が人事や育成制度のひな型として利用してきた。最新版は2012年3月に公表した「ITスキル標準V3 2011」で、5年以上にわたり更新は止まっている。

 IPAはその後、ITSSの元となる共通定義やモデルに焦点を当てて強化を進めている。2008年にはITSSや「組込みスキル標準(ETSS)」「情報システムユーザースキル標準(UISS)」共通の人材像をまとめた「共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)」を公表。2012年に、IT人材が担うタスク(業務)やスキルの定義を加えた追補版をリリースした。

 2014年には、CCSFの発展形として「iコンピテンシディクショナリ(iCD)」を公表。IT人材が担うタスクとスキルの定義を拡充して「ディクショナリ(辞書)」としてまとめたもので、特にタスクを重視しているのが特徴だ。

 IPAはここ数年、タスクを軸に業務改革や人材の確保・育成に役立つとして、iCDの普及活動を積極化している。ITSSへの取り組みを発展させて、iCDの導入・活用に取り組む企業も多い。



ITSS+とITSS、iCDの関係

iCD:iコンピテンシディクショナリ、ITSS:ITスキル標準
出所:情報処理推進機構(画像)

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