ED・薄毛専門の遠隔診療登場、自費でも保険診療と同等の安価



オンラインで、遠隔診察を受けられるサービスが、日本でも徐々に増えてきた。通院が困難な人はもちろん、EDや薄毛など、対面での受診に心理的ハードルが高い疾患も遠隔診察に向いている。しかも、自費診療ながら保険診療と同等の価格を実現するサービスが登場した。

EDや薄毛など、相談しにくい
悩みに打ってつけ!

自費診療ながら、保険診療と同等か、場合によっては安いこともある「オトコノスマ診」。海外では当たり前な国も多い遠隔診療だが、今後は日本でも本格的に導入されていきそうだ

 今、遠隔診療のサービスが増えている。遠隔診療とは、医師がインターネットなどを利用して、離れた場所にいる患者の診察を行うことである。忙しくて通院が困難だったり、専門病院が近くになかったりする場合、ネットを使って診察や投薬ができるシステムだ。

 例えば2016年に始まった「CLINICS」は、現在約500の医院が導入しており、最もポピュラーな遠隔診療サービスになっている。「curon」は人工知能を活用しており、「Doctors Crowd」は生活習慣病改善のためのサービスを健康保険組合と合同で提供している。

 遠隔診療には別の特長もある。それは医師に相談しにくい疾患にも役立つ点だ。今年4月に始まった「オトコノスマ診」は、男性特有の悩みに特化した遠隔診療サービスである。対象となるのはED(勃起不全症)とAGA(男性型脱毛症)の2つである。

 いったいどんなふうに診察をするのか? 

 受診は簡単だ。まずはスマホから対象となる疾患の問診票に記入をする。問診が終わるとそのまま診察室へ入室となり、医師から簡単な質問を受け診断、処方となる。支払いはクレジット決済で行い、薬は自宅や職場など任意の場所へ配送される(プライバシーは配慮される)。ここまで、全てがオンラインで完結する仕組みだ。

 医師とのやりとりは、LINEのようなテキストチャットで行う。医師からの指示に基づいて写真やビデオチャットによるコミュニケーションも可能なので、患部の状況やお薬手帳の内容、健康診断の結果などを送信して、医師と情報を共有することができる。また、遠隔診療の利点として、24時間いつでも診察のリクエストをすることができ、オンラインで状況を知らせることも可能だ。

自費診療なのに保険診療と
大差ないのはなぜか

 気になる診察代だが、EDの場合、バイアグラ50mg×4錠の処方で、8640円。ジェネリックになると、5940円。AGAの場合、一般的な治療薬であるプロペシア錠1mg×28日分の処方で1万800円。こちらもジェネリックは、8640円となっている(価格は全て診察料・薬剤料・消費税込み)。薬はどれも国内の正規流通品である。

 自費診療ではあるものの、一般の保険診療(3割負担)の価格とは大差がない。なぜ、ここまで安くできるのか?サービスを立ち上げた、ネクストイノベーション株式会社代表取締役CEO石井健一さんに取材をした。

「通常の診療報酬の内訳は、3段階に分かれています。(1)基本診察料(2)管理料(3)処置その他――です。このうち、管理料は大いに削減できる余地がありますので、ここを削りました。また薬局も(1)調剤基本料(2)薬剤料――の2段階に分かれており、薬剤師の技術料コストが大半を占める調剤基本料を削減しました。自費診療というと高い!というイメージを持つ方もいますが、弊社のサービスではむしろ保険診療より安い場合もあります」(石井さん、以下同)

 石井さんは薬剤師の資格を持ち、製薬会社に勤務した後、医療コンサルタントとして活動していたが、そこで医療業界が抱える様々な問題に直面してきた。専門家として自費診療でも適正価格で提供できると判断して、遠隔診療事業の立ち上げに踏み切ったのである。

 「モットーは“10年後の当たり前を今からやろう”なんです。Amazonなどのネット販売も、日本に導入されたときは、見向きもされませんでした。でも今は、誰もが当たり前のように利用している。医療も同じだと思います。10年後にはネットを介した遠隔診療が当たり前の時代になっているはずです」

 とはいえ、これまでの診察スタイルはどうなるのか?

「もちろん、医師が患者さんと向き合う対面診療は必要です。それに勝る方法はありません。しかし諸事情があり、病院になかなか通えない人も多いのが現状です。そういう方に遠隔医療を使ってほしいのです」

実は海外では遠隔診察は当たり前
日本もようやく本格導入へ

 従来の対面診療を行っている医師にとっては、競争相手になるのでは?

「開業医の場合、午前と午後の診察のあいだに、たいてい休み時間があります。そういった空き時間を有効活用して遠隔診療も並行して行うケースが増えています。オトコノスマ診では患者さんとのやりとりはテキストが原則ですので、空き時間にPCに打ち込んで返信することが可能です」

 実際、登録する医師は増えている。並行診察が可能となり、診察記録が簡単に残せるなど、医師にとってのメリットも多いという。

 今後は、男性対象のサービスだけでなく、花粉症や生活習慣病にも対応できるように準備を進めているという。将来的にはプライマリーケア全般を診察できるサービスにしたいとの構想も抱いている。

 国土の広い海外では、すでに定着している遠隔診療だが、日本もようやく本格的な導入に向けて動き始めている。政府は2018年度に行われる診療報酬の改定で、遠隔診療を評価する方針を発表している。増え続ける医療費への対策として、遠隔診療は大きな可能性を秘めていると言えるだろう。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら



カテゴリートップへ




Related Post